2015年2月2日月曜日

貿易実務検定編:コンテナにまつわる話

コンテナ船って何か夢がありますよね。貨物の一つ一つには、国と国をつなぐ思いが詰まっていると考えてみると、単なる荷物と捉えられない奥深さがあります。貿易実務検定B級合格を目指して、『貿易実務ハンドブック アドバンスト版 第四版』を読み進めています。1章の概要、2章の船積書類、3章の国際航空輸送、4章の貨物海上保険を読み終えて、ついに来ました、5章の貨物の船積みです。いよいよ海が見えてきましたね~。この船積みは書類が沢山でてきてややこしいのですが、一番面白いところなので、ちょっとここについて書いてみます。

まず、貨物にはFCL(Full Container Load Cargo)と、LCL(Less than Container Load Cargo)の二種類があります。コンテナ一杯に自分の貨物を詰め込むのか、コンテナの一部だけ借りて、他の人の貨物と一緒に運んでもらうか、という違いですね。まずは前者の方法ですが、積み作業は通常海貨業者(乙仲)が行ってくれます。海貨業者は船積書類(2章)を作成してくれるんですよね。で、検量人(容積や重量を計測して証明してくれる人)の検量を受けます。次にCYO(Container Yard Operater)にEquipment Receiptを提出したら、空のコンテナを借りて、詰めます。以上!ちなみに詰める作業のことをVanningと言います。

何かとても簡単そうに見えますが、実は難しいのはここから。コンテナを引き渡すところで、二人の許可が必要です。一人はGate Clerk、もう一人は先ほど出てきたCYO。CYOって偉いんですね~。CxOだけのことはあります(笑)。さて、このGate Clerk、先ほど検量人がチェックしたのに、もう一回チェックしないと気が済まないんです。重量、コンテナ番号、コンテナシール、コンテナ機器の状態を入念にチェックするのです。ちなみにこのコンテナシール、材料は色々で、薄い鉄やプラスチック、ワイヤー(?)製のものもあります。つまりこのシールを外さないと、開封(Devanning)できない、という訳ですね。

やっとのことでGate Clerkさんの許可が下りると、CYOの出番です。コンテナ貨物搬入票やドッグ・レシートといった書類や、コンテナの外観に問題がなければ、このドッグなんちゃらに署名してくれて、コンテナヤードへの搬入を認めてくれるんです。このドッグ、じつは8枚複写の大掛かりな書類です。全部サインするのは大変そうですよね・・・。しかめっ面をしながら一枚ずつサインを入れてくれるCYOさんの顔が浮かびます。ちゃんと1枚を受領証として返却してもらうのを忘れずに!船荷証券との引き替え用なので、これがないと荷物が受け取れません。(補足ですが、在来船のときにはドッグ・レシートではなく、Mate's Receiptを使います)。

ということで、今日はFCLの場合のコンテナ詰め作業の様子を書いてみましたが、無事にコンテナに貨物を積むまでに、これだけ多くの書類と、人が関わっているということに驚きました。明日は続きのストーリーを書いていきます。

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